参政党とは?わかりやすく解説【2025年最新】

最終更新: 2025/11/15

参政党の基本情報、政策、組織の特徴、今後の展望をわかりやすく解説。地方議員155名・支部287など、組織面の強みも紹介。

参政党は2020年に結党された新興の保守系政党です。2022年参議院選挙で14議席を獲得し、一躍注目を集めました。

この記事では、参政党の基本情報、政策、組織の特徴、今後の展望について解説します。

📌 この記事の要点

  • ✓ 参政党は2020年4月に結党された政党
  • ✓ 2022年参院選で改選前1議席から14議席へ大躍進
  • ✓ 地方議員155名、支部287カ所という強固な組織
  • ✓ 「日本人ファースト」で外国人問題を争点化
  • ✓ 次の衆院選で40〜50議席を目標

参政党の基本情報

結党と沿革

参政党は2020年4月に結党されました。「国民が参政する政党」をコンセプトに、神谷宗幣氏、松田学氏、吉野敏明氏、赤尾由美氏、武田邦彦氏の5名が中心となって立ち上げた政党です。

基本データ(2025年時点)

項目 内容
結党2020年4月
代表神谷宗幣(参議院議員)
国会議員数参議院5名
地方議員数約155名
支部数287支部
党員数約6万8000人(推計)

理念と綱領

理念:
日本の国益を守り、世界に大調和を生む

綱領:

  1. 先人の叡智を活かし、天皇を中心に一つにまとまる平和な国をつくる
  2. 日本国の自立と繁栄を追求し、人類の発展に寄与する
  3. 日本の精神と伝統を活かし、調和社会のモデルをつくる

2022年参院選での躍進

参政党が広く知られるようになったのは、2022年7月の参議院議員通常選挙でした。

選挙結果

  • 改選前: 1議席
  • 改選後: 14議席
  • 得票数: 比例代表で約176万票(得票率3.3%)

この議席増加数は、国民民主党の13議席増と並ぶ最多増加数タイでした。

東京選挙区の衝撃

特に注目されたのが、東京選挙区でのさや候補(塩入清香)の2位当選です。

無名の新人候補が、自民党や立憲民主党などの有力候補がひしめく激戦区で、開票と同時に当確を出すという結果は、多くの人々に衝撃を与えました。

党首・神谷宗幣の経歴

参政党を理解する上で、代表の神谷宗幣氏の経歴は重要です。

生い立ちと海外経験

  • 1977年: 福井県高浜町(高浜原発のある町)に生まれる
  • 小中高で児童会長・生徒会長を歴任
  • 関西大学文学部在学中に休学し、語学留学とアジア18カ国のバックパック旅行を経験
  • この海外経験で、失われた30年の影響を受ける日本の国際的地位低下を実感

教師から政治家へ

  • 大学卒業後、地元福井で高校教師(英語・歴史)に
  • 1年で辞職 - 「日本の教育を根本から変えるには政治家になる必要がある」と判断
  • 実家のスーパーマーケット倒産を経験し、地方経済の疲弊を痛感

政治家としてのキャリア

  • 法科大学院を経て、吹田市議会議員に無所属で当選
  • その後、大阪府議会議員を経験
  • 2022年、参議院議員に初当選

参政党の組織戦略

参政党が他の新興政党と大きく異なるのは、その戦略的な組織構築です。

特徴①: 地方議員の徹底的な獲得

参政党は結党以来、地方議員の獲得に注力してきました。

地方議員数の比較(2025年7月時点):

  • 参政党: 155人
  • れいわ新選組: 60人
  • 日本保守党: 9人

💡 なぜ地方議員を増やすのか?

日本の地方議会は年間90〜120日程度しか開催されないため、地方議員は残りの期間を国政選挙の実働部隊として活動できます。「地方議員の多寡は国政政党の足腰」と言われるように、地方議員が多いほど国政選挙で有利になります。

特徴②: 当選しやすい選挙区の選定

参政党は、議員定数に対して立候補者が少ない自治体を戦略的に選び、候補者を擁立してきました。

2023年統一地方選では、無投票当選の割合が:

  • 首長選: 40.2%
  • 議員選: 13.9%

このような「なり手不足」の選挙区を狙うことで、知名度が低くても当選確率を高めることができました。

特徴③: 小選挙区ごとの支部設置

参政党は287の地方支部を設置しており、これは衆議院の289小選挙区のほぼ全てに対応しています。

他の新興政党が都道府県単位でしか支部を設置していないのに対し、参政党は小選挙区レベルで組織を構築。これは明らかに次の衆院選を見据えた戦略です。

参政党の主な政策

憲法・国防

  • 創憲(自主憲法の制定) - 「改正」ではなく「創る」
  • 天皇を中心とした国づくり
  • 自衛隊の国軍化
  • スパイ防止法の制定
  • 緊急事態条項の新設

経済・財政

  • 消費税の減税・廃止
  • 財務省の解体
  • 積極財政(MMT理論に近い)
  • 法人税減税

外国人政策(日本人ファースト)

  • 移民受け入れ反対
  • 外国人労働者の規制強化
  • 外国人への生活保護支給停止
  • 土地の外国人取得規制
  • 通名廃止

教育・文化

  • 教育勅語の再評価
  • 愛国心教育の推進
  • ジェンダー教育への批判
  • 日本の伝統文化の保護

食・農業・環境

  • 食品添加物の規制強化
  • 無農薬・有機農業の推進
  • 学校給食の無添加化
  • 種子法の復活
  • 太陽光パネル規制

「日本人ファースト」「スパイ防止法」の意味

争点の変化

2022年参院選の主な争点は「物価高対策」でした。ほとんどの政党が給付金や減税を議論する中、参政党は外国人問題という別の争点を持ち込みました。

「日本人ファースト」とは

この言葉は、様々な「外国人にまつわる問題」を包括的に表現しています:

オーバーツーリズム
外国人のマナー問題
土地の買収問題
外国人労働者の受け入れ
外国人生活保護

スパイ防止法の提出

11議席以上あれば、予算に関わらない法案を単独で提出できます。参政党は14議席を獲得したため、公約通りスパイ防止法を提出できる状況になりました。

他の政党との違い

参政党 vs 日本保守党

項目 参政党 日本保守党
結党2020年2023年
代表神谷宗幣百田尚樹
特徴生活密着テーマも重視ナショナリズム色が強い
組織草の根型・国民参加カリスマ型
地方議員155人9人

参政党 vs 自民党

項目 参政党 自民党
スタンス既存政治への批判既存政治の中核
政策理想主義的現実主義的
資金党費・寄付中心経済界との結びつき
組織新しいシステム伝統的な派閥構造

意外な共通点: れいわ新選組

政治的立場は正反対ですが、以下の点で共通しています:

✓ 既存政治への批判
✓ SNS・YouTubeの活用
✓ 消費税減税の主張
✓ 草の根的な支持基盤

参政党の組織構造

ボードメンバー制度

参政党の意思決定は、「ボード」と呼ばれる常任役員会が行います。

現在のボードメンバー:

  • 神谷宗幣 - 代表 兼 事務局長・参議院議員
  • 吉川りな - 副代表・衆議院議員
  • 安藤裕 - 幹事長 兼 政調会長・参議院議員
  • 梅村みずほ - 参議院国対委員長・参議院議員
  • 豊田真由子 - 政調会長補佐

党員の種類

一般党員
年間 6,000円

基本的な党員資格

運営党員
年間 24,000円

党運営に直接関与可能
候補者選定にも参加

サポーター
年間 3,000円

参政党を支援

党員数と支持層

  • 党員数: 約6万8000人(推計)
  • 主な支持層: 30〜50代男性、保守層、既存政治に不満を持つ無党派層

参政党への批判・問題点

⚠️ 指摘されている主な問題:

  1. 政策の実現可能性 - 消費税廃止や財務省解体など、実現困難な政策への疑問
  2. 科学的根拠の不足 - ワクチン慎重論や添加物問題など、科学的コンセンサスと異なる主張
  3. 陰謀論的言説 - 一部議員や支持者による陰謀論的発言
  4. 宗教団体との関係 - 統一教会との関係を疑う声(党は否定)
  5. 憲法草案の内容 - 国民主権の扱いや、天皇主権に近いのではという指摘

今後の展望

次期衆院選の目標

40〜50議席

参政党は次の衆議院選挙で、野党第1党・第2党を狙う水準の議席獲得を目標に掲げています。

強みと課題

💪 強み

  • 287の小選挙区支部(ほぼ全選挙区カバー)
  • 155人の地方議員による実働部隊
  • 6万8000人の党員による草の根活動
  • YouTubeやSNSでの情報発信力

⚠️ 課題

  • テレビなど既存メディアへの露出不足
  • 日本保守党との支持層の競合
  • 党内の意見対立
  • 政策の実現可能性への疑問

参政党の現状(2025年11月時点)

参議院
5議席
衆議院
0議席
地方議員
155名
支部数
287
平均年齢
47歳
党員数
6.8万人

よくある質問

Q1: 参政党はいつできた政党ですか?
2020年4月に結党された比較的新しい政党です。神谷宗幣、松田学、吉野敏明、赤尾由美、武田邦彦の5名が中心となって立ち上げました。
Q2: 参政党は右翼ですか?左翼ですか?
保守系(右寄り)の政党に分類されます。憲法改正、国防強化、教育勅語の評価など、保守的な政策を掲げています。ただし、消費税減税など、単純な右翼・左翼では分類しきれない政策もあります。
Q3: 参政党の国会議員は何人いますか?
2025年11月現在、参議院に5名の国会議員がいます。衆議院議員はいません。
参議院議員: 神谷宗幣 / 安藤裕 / 梅村みずほ / 吉野敏明 / 松田学
Q4: 参政党に入党するには?
公式ウェブサイトから入党手続きができます。
党費: 一般党員(年間6,000円) / 運営党員(年間24,000円) / サポーター(年間3,000円)
Q5: なぜ地方議員を増やしているのですか?
日本の地方議会は年間90〜120日程度しか開催されないため、地方議員は残りの期間を国政選挙の支援活動に充てることができます。「地方議員の多寡は国政政党の足腰」と言われ、地方議員が多いほど国政選挙で有利になります。
Q6: 参政党は宗教と関係がありますか?
特定の宗教団体との公式な関係は確認されていません。統一教会との関係を疑う声もありますが、党側は否定しています。
Q7: 次の選挙で40議席取れる可能性はありますか?
かなりハードルは高いと考えられます。ただし、2022年の参院選も多くの予想を上回る結果だったため、断言はできません。小選挙区ごとの支部設置や地方議員の数など、組織面では一定の準備が整っています。

まとめ

参政党は2020年に結党された新興の保守系政党です。

特徴:

  • 地方議員155名という強固な組織基盤
  • 小選挙区ごとの支部設置(287支部)
  • 「日本人ファースト」で外国人問題を争点化
  • YouTubeやSNSを活用した情報発信
  • 国民参加型の党運営

現状:

参議院5議席。次期衆院選で40〜50議席を目標に掲げ、地方組織の拡大を継続しています。

参政党の評価は賛否が分かれますが、戦略的な組織構築と独自の政策で一定の支持を集めていることは事実です。今後の動向が注目されます。

最終更新: 2025年11月16日